僕が君にできること
並ぶ背表紙を眺め、棚と棚の狭い空間をゆっくりと歩いた。


ここで始まり、ここで終わった。


ちゃんとした約束もなく。名前しか知らない二人は、それでもそこにいるお互いを必要としていた。




そしてあの本を取り出した。



『あなたの前でだけ本当の自分でいられた』そうあなたが残した本。



もしも運命じゃなかったらきっと忘れられるって。忘れなければお互いをもっと傷つけ合ってしまう。それが怖くて、もう終わりにしよう。隼人の愛で忘れようって。そう思ったのに・・・・。


でもだめっだった。



忘れられないこの想いは運命と思ってもいいのですか。


もう偽らずあなたを想ってもいいのですか_____。


もう届かないとしても、もう偽らない。・・・・・偽れない。




あれから・・・・・遠回りして出会った季節が巡ってきています。



あなたは今もまだあの時の想いでいますか?



私は進んでいるつもりだったけど、立ち止まっていたようです。










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