一番星
最悪な人生
曇っている空に光は一筋もない。
光がないのはこんなに寂しいものなのか。
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今日……なにがおこるかわかっていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。
私、長瀬星奈は今日日直だった。
黒板を消すのは何回やってもなれない。
粉が煙たくてやんなっちゃう。
「ちょっとー!星奈、次移動なんだから早くしてよね!」
ビクッ─バンッ
いきなり名前を呼ばれ、おどろいてうっかり黒板消しを落としてしまった。
ゴホッケホッ
粉がまって咳き込んでしまう。
「ちょ…ちょっと待ってて」
私はいそいで日直の仕事を終わらせた。
すぐに自分の席に戻り、教科書などの準備をし、廊下で待っているゆういつのともだち…今井友果のもとに向かった。
──このとき、ちゃんと前をみて行動してれば…回りを見てれば…。
何度後悔したことだろう。
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