セイギ
次の日、すぐにこの事件の帳場が立った。



そして10時。捜査会議が始まった。


この会議の司会でもあり私の直属の上司である櫻井管理官が


「まず、この事件の現場の状況について報告。月野!」



そう私に命じた。


「報告します。マル害である野々村健二は胸を数十か所刺されたことによる失血死をしています。発見者は同じビルの3階に住む広尾ゆかりさん。この方は野々村さんと1年前から付き合っていたようです。借りた写真集を返そうと午後1時前に電話をしています。その後、広尾さんが部屋に向かうともうすでに死亡した後の野々村さんを見つけたそうです。」



私の言葉を引き継いで佐伯が


「その後、広町交差点にあるカフェで働いている神谷理子さんという方が、現場方向から向かって猛スピードで走ってきた白いワンボックスカー、ナンバーは品川 に 1233を見ています。運転していたのは髪の長さが肩ぐらいの女性。車内であったのにもかかわらず手袋をしていたようです。」



そう報告した。



「分かった。今度はそのワンボックスカーを運転していたという女性について徹底的に調べてくれ。」



そう言うと他の班に話を振った。




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