永久の宝物

「愛がいなくなったんだよ!!」


「…は?」
「…へ?」

二人揃って間抜けな顔してやがる。

なんかイライラしてきた。



「だぁら!消えたんだよ!愛が!荷物もなくなってて!」

言いながら、今度は泣きそうになってきた。


俺、ホントに愛に惚れてたんだな。

すごい情緒不安定。



「なんで愛がいなくなるわけ?」

カノンが俺の様子からただ事じゃないと悟ったらしく、優しく聞いてくる。



「わかんねぇ…けど、好きなやつができたって…。」


『ええっ!?』


カノンと堅太の声がハモる。

「そんなの、嘘よ!だって愛は、卓哉くんのことホントに大好きだったんだから!!」



「…っ。俺…どうすればいいんだよ。」
< 98 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop