大好きだったよ。
ハッと目を覚ますと、


そこには見知らぬ天井があった。


床には可愛い女の子がいて、


おばさんたちのしゃべり声が聞こえてきた。


あたしのおばさんと、おじさん。


しかも、日本語の。



あたしが分かる日本語で。


堂々と。


「どうしたの。あの子。いつの間に、あんな小生意気な子に...」


分かってない。


分かってないよ。


確かに、小生意気かもしれないよ。


でもさ、いつの間に、ってどういうこと?


あんたたち、ずっと、いなかったじゃん。


そんな10年も前と比べられちゃ、困るよ。


あたし、純粋じゃないから。


そんな、性格美人じゃないから。


何でかって言うと、


分かるよね?


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