イケメンSPに守られることになったんですが。
矢作さんはちょっと意地悪そうな顔で、ふふんと笑った。
それだけで、胸が高鳴ってしまう。
断じて、矢作さんにときめいたわけではない。
自分の心を見透かされているようで、居心地が悪いのだ。
……実際、見透かせる人だしね。
「不満なんて……」
SPとしての矢作さんがどれくらいの腕か知らないけど、私が思ったのはそんなことじゃなくて。
起きたら、亮司さんがまたのほほんと笑ってくれると思ってた。
その期待を裏切られたのは、確かに不満ではある。
「まーいいや。ほれ、朝飯」
「わーい!!」
私は差し出されたコンビニの袋を受け取り、小躍りした。
うほほ~、これまた贅沢品のコンビニおにぎり……!
「ふんふんふん♪」
「お前、のん気だな……命狙われてるのに、よく食えるな」
「……ほんとですね」
「しっかり寝て顔色もいい。
珍しいマルタイだぜ」
「うう……」