イケメンSPに守られることになったんですが。
『突然なんだけどさ、明日の夜空いてない?』
「はっ?」
『合コンがあるんだけど、来れない?』
「合コン?」
本当に突然だよ……。
合コンと聞いて、亮司さんの眉毛がピクリと動いた。
うーん、無理だよね、この状況じゃ……
亮司さんラブと自覚しちゃったから、あまり行きたいとも思わないし……。
「どうせ来る予定だった子がダメになったんでしょ?」
『そうなのー。助けてー』
そのあっけらかんとしたところがうらやましいよ……。
「助けてって言われても……私、今ワケあって外に出られな……」
「中園さん、行ってきて良いですよ」
「ほら、行って良いって……え?」
思わず電話から顔を離し、亮司さんを見る。
「気晴らしになるかもしれない。行ってらっしゃい」
亮司さんは頷いて、小さな声で言った。
「でも……」
「普通の生活をするのが一番です。
家にこもらない方が良い」
「…………」
『ちょっと麻耶ちゃーん?
すっごく素敵なバリトンボイスが聞こえるんですけどー?
もしかして彼氏できたのー?』
「ち、違うよっ!!」
誰が彼氏だ!恐れ多い!
『じゃあ良いじゃない。
相手は社会人で、飲み代持ってくれるらしいし、タダでご飯食べに来ると思って!
お願い、助けてよ~!』
むしろ、誰かに助けて欲しいのは私の方なんだけどな……。
「わかった。
でも本当にワケアリだから、突然行けなくなるかもしれないからね?」
『オッケオッケー!
じゃあよろしく!』
エリカは場所と時間は後でメールすると言って、一方的に電話を切ってしまった。