イケメンSPに守られることになったんですが。


……ねえ。


『署』っていうから、てっきりそのへんの警察署だと思うじゃない。


なんで霞ヶ関の本庁舎まで連れて来られちゃったの!?


大きすぎて、入口から今自分がいる部屋まで、どこをどうやってきたのかもうわからない。


とにかくバリトンさんのあとについて入った一つの部屋には、四人の男の人がいた。



「おーおつかれー」



一番年長と思われる男の人が、バリトンさんに声をかけた。


年長といっても、多分30代半ば。他の人たちは全員20代後半だろう。



「班長、中園麻耶さんです」


「うん、はい、全員集まってー」



バリトンさんが勝手に私を紹介すると、年長さんが若い人たちに声をかける。



「中園さんは、ここ」



年長さんが、部屋の隅っこにあった埃っぽいソファに座るように促す。


う……なんか汚い。


ちらっと見ると、今まで若い人たちが向かって仕事をしていたデスクも、書類やパソコンでひっちゃかめっちゃかだ。


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