イケメンSPに守られることになったんですが。


「スマホ……そういやそんなこと言ってたな。

どうすっか……朝早く高浜さんちに行ってもいいが……」


「…………」


「……キャリアがSPルームに全員集合するように言ったのが、午前10時。

そのときに持って来いって、高浜さんに連絡しとくか」



新城さんは黒いスマホをぽちぽちと操作しだす。


たぶん高浜さんにメールを送っているんだろう。


高浜さん……もう名前を呼んではいけない気がして、なんとなくそう呼んでしまう。


高浜さんは、私のスマホを持って現れるだろうか?


別にそれがどうしても必要で、絶対持って来いと言われたわけではないみたいだから、来なければ来なかったで問題ないだろう。


それに、自分で謹慎した人が一日で出てくる方がおかしいよね。


正直、私も来てくれないほうが助かる。


高浜さんにSPをやめてほしくなくて、ああは言ったけど……やっぱり気まずいし。


そんなわけで、私と篠田さんに呼び出された高浜さんを除く特殊班全員が警視庁に集まっている。


朝まで高浜さんの連絡を待ったけど、結局何もなかったと、行きの車で新城さんが静かに言った。


そりゃあそうだよ。来るわけがない。


そして、SPルームの壁掛け時計が10時を指した瞬間、バタンとドアが開いた。


そして現れたのは……。


< 295 / 438 >

この作品をシェア

pagetop