イケメンSPに守られることになったんですが。


新城さんに聞いたところによると、大西さんの鼻で私を追跡したのは本当だったらしい。


お腹を蹴られたけどすぐに回復した大西さんと、足を撃たれた亮司さんを回収した特殊班と篠田さんは、車で私を追跡した。


その途中で亮司さんは、もしもの時のために待機していた衛生班に痛み止めをうってもらったらしい。


SATは専用車に乗り換え、篠田さんのあとをついてきてくれた。


敵に気づかないように周りを包囲するのは彼等の専売特許。


そうして私は、たくさんの人のおかげで助かることができた。



「……たかはまぁぁぁぁぁ!」



あのあとすぐに病院に運ばれた亮司さんは、一命を取り留めた。


意識はすぐに回復し、抱きつこうとした班長さんは特殊班のみんなに全力で止められた。


亮司さんはそれを見て、苦笑してた。


お腹には深い傷跡が残ったけど、幸い内臓は無傷。


プロテイン飲んでいた甲斐があったね。



SATの突入した山荘はすぐに制圧され、潮騒の会の企みは達成されずに終わった。


今頃みんな仲良く塀の中だろう。


和也は特殊班に逮捕され、公安に引き渡された。


元彼が逮捕されたということで、私のところにも連日警察が事情聴取に来ていたけど、2週間たった今では、さすがに落ち着いた。


それから事件が解決したとのことで、『六花の翼』は予定通り出版されることとなった。


発売日は延期になっちゃったけど、とにかく良かった……。
米田さんもほっとしてた。








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