イケメンSPに守られることになったんですが。


「……他のところは、キスしてくれないのか?」


「…………」



他のところ……。


耳とか鼻とかまぶたとか色々あるだろうに、あろうことか私が一番先に目線を移してしまったのは、亮司さんのベルトのあたり。



「……ししし、しないもん!
そんなとこ、見てないもん!」



最低だ!恥ずかしすぎる!


手を振り払おうともがくと、亮司さんはあっさりと手を離し、笑い出した。



「ははっ、誰もつっこんでないのに、ひとりで慌ててる」


「ふきゃー!」


「……ごめんな。寂しかったんだよな」



亮司さんは、真っ赤になった顔を隠す私の手を、強く引く。


すると私はあっさりと、亮司さんの胸に倒れこんでしまった。



「明日は休みだし、がんばろうか」



と、亮司さんは優しく笑ったかと思うと、急に肉食獣みたいな目をして、体を反転させ、私をベッドに押し付ける。


そして、私のエプロンを解きながら、首筋に唇を近づけ……。


そのままくたりと、力つきてしまった。


彼のたくましい腕の重みが、胸にのしかかる。



「亮司さん?」


「期待させてごめん、やっぱり眠い……」


「き、期待なんかしてません!」


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