キスの意味を知った日

「瑠香は結婚願望とかないの?」

「ん~ないかな。それに、彼氏すらいないし」

「えっ!? いないの!?  瑠香美人なのにもったいないっ!」


酷く残念そうに、そう言う梨恵に苦笑いを浮かべる。

でも、心なしか幸せオーラが出てる事に気づいて首を傾げる。

なんていうか『女の子』になっている。


「梨恵なんかあった?」


私の質問に、待ってました! と言わんばかりに頬をピンクに染め始めた梨恵。

えっとね。と急に女の子になってモジモジしだした。


「いい人いるんだ。この前合コンで会った人なんだけどね」

「合コンね~……」

「あっ! 今合コンを差別したでしょ!  いい?  瑠香。私達の年になると、もう出会いは合コンしかないのよ!?」


私の冷めた視線に気付いたのか、合コンの必要性を語りだした梨恵。

前のめりになって詰め寄ってくるから怖い。
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