Sion




その笑顔がとても眩しかった。




「大丈夫だから、心配しないで。それより、お母さんは大丈夫?」




心配する爽理に理緒さんは穏やかに微笑む。
しゃがみ、爽理の頭を撫でた。




「心配かけちゃったね。仕事が忙しいだけだから…」




「お母さん…僕がいるから…大変なの?」




爽理が心配そうに理緒を見る。
その表情は少し悲しそうだった。




爽理の言葉に理緒は首を横に振る。
爽理の両肩に優しく手を置いた。




「違うわ。爽理がいるから頑張れるの。だから、そんなこと言わないで?」




「…うん」




爽理は頷いた。
けど、その顔は少し複雑そうで…




「と、とりあえずリビングに。夕食ももうすぐ出来るから」




爽理の手を引いて歩く理緒を見て、希愛は少し不安に思った。
母親に考えていたことを相談しようかと静かに頭の中で決意した。




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