契約彼氏-ニセ彼氏-
卒業したいな、バージン。
フと―そう思った。
別に守ってきたわけじゃない。
守るつもりもない。
ただ、捨てられなかっただけ。
そうだ、そうしよう。
少なくともこの底なしの劣等感からは開放される。でも、誰と……?
その辺のオヤジを誘えば簡単にロストバージンできる。
だけどそれじゃあんまりだ。
イケメンをナンパして……?
だけどこの脚を見たら、引かない……?
私の右脚の付け根には、大きな傷がある。
腰骨からアソコにかけて、まるで蛇がのたくったみたいに皮膚が引きつっている。