捕らわれ姫




先生は私を見つめてる。



「あなた部活してなかったわよね?」


中山先生の言葉に、先生を見ていた目を中山先生へ向けた。



「こんな所で何をしているの?」

「……い、え…」

「部活してないなら早く帰らないとダメじゃない」



ふふっと笑う中山先生は、異名の通り色っぽい。

けど―――私の意識は目の前の中山先生ではなく、その隣にいる三上先生にあった。




先生も中山先生みたいな大人の女性が好きなの…?


―――思って、胸がツキンと痛む。




そんな私に気づかない中山先生は、寄り添うように先生の隣に並んだまま。


< 39 / 69 >

この作品をシェア

pagetop