捕らわれ姫




先生の言葉に関口君の顔は真っ青。



「やっべ!早く戻んなきゃ…っ

 そんじゃ、姫!また明日な!」



セリフのような言葉を残し、掃除をしたくない彼は私の頭をポンと叩くと慌てて立ち去った。


……嵐のように。









「姫野さん。 姫野 さくらさん」



声に目を向けると―――


「早く掃除を始めなさい」



無表情の先生がいた。




「……はい」




もしかして……機嫌、悪い…?


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