捕らわれ姫








優しく香る、先生のいつもの爽やかな匂い。



大きな手が、私の後頭部を包み込んで。




―――唇に、熱が伝わった。







私の心臓の音も、きっと伝わってる。












ゆっくりと離れていくその熱が、名残惜しくて。



―――瞬間。


息苦しさから解放されて、酸素を求めた。

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