捕らわれ姫




誰もいない廊下を歩きながら、ふと、先生から貰った物を思い出した。


ポケットから取り出すと、昔懐かしい苺ミルクの飴だった。



包みから取り出し、口にそれを入れた。




「甘い…」



三上先生……もしかして甘党なのかな?







下駄箱で靴を履き替え校舎を出ると、丁度向かいの校舎にさっきまでいた生物準備室の窓が見えた。


明日から放課後はあそこの掃除か……。



ほんの少し憂鬱な気分で歩き始めた。





その姿を見られていたなんて、知らずに―――…。

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