はちみつれもん

side 隼人

クラス分けのボードの前は人だかりができてて進めそうにない。

きゃーきゃーと本当にうるさい。
見たらさっさと何処かに行けばいいと思う。


「人、多っ!(笑)隼人、これどうするよ?」

ガキの頃からの腐れ縁の暁に、はぐれたら置いてくとだけ告げる。


「うーす、おはよ!」
人ごみの中の、比較的知り合いの多いポイントを選び、声をかける。

「おう、隼人じゃん!」
「うーす。お前、なん組よ?」

男も気軽に答えるし、女も俺に挨拶を返したり叫んだりしてる。


「しらね。まだ見てねぇもん。」

軽く答えると遠くから呼ぶ声がした。


「隼人ぉ!こっちぃ!」

甲高い猫撫で声。真梨だ。

「暁も来ていいよぉ(笑)」
「“も”ってなんだよ!」



俺が真梨の方へ向かうと、そんなやりとりをしながら暁もついてきた。


「ごめん、ちょっと通して。」

言えば快く通してくれる。
まあ、俺 人気者なんで。

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