LOVE PRINCESS(歩夢&真希)


「あれは……恥ずかしかったんだもんっ」


恥ずかしかったんだもんって……。


「別に……好きじゃなく、ない」


そう、めちゃくちゃ小さな声で呟いた。


え。
どういう意味?
すんげぇわかりにくいんだけどっ。

“好きじゃなくない”

って事は……好きって意味か?


「あーっ! もうっ。こんなこと言わせないでよ馬鹿!」


そして、またキレる。


「てか、それって俺を好きってこと?」

「え? は? あ?」

「ぶはっ。キョドりすぎだって」


あまりに真希の慌てた顔が可笑しくて。

キョロキョロ泳ぐ目とか。

小刻みに動いたか手とか。


それが、何だか可愛く思えた。


「べっ、別にキョドってなんかないもん!」

「で、好きなんだ?」

「なっ、何、急に! 真剣な顔しないでよっ」


また赤くした頬を押さえ、俺から視線を逸らす。

それでも、俺は真希を見つめ続けた。


やっぱり、真希の口から本当の事が聞きたくて。

黙ったままの俺に観念したのか真希は、


「……うん」


消えるくらいな小さな声で返事した。


それが嬉しくて、ちょっと可愛いとか思っちまって。

思わず頬にキスをした。


勿論、後でしっかり怒られ……。


皆の前での告白もバレて……3日間も口も聞いてもらえなかったとさ。



-end-
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