たった一つのお願い


「さ、坂井先生!?」



「のどかちゃん、俺はピチピチお姉さんが好きだから。そこの仏頂面の悪魔みたいな奴信じたらダメだよ?」



「し、失礼しましたっ!!」




彼女は慌てて部屋を出て行った。
たまにはこう言うのも悪くない。




「…お前はそのキャラでたまに真面目に大嘘吐くから恐いよ」



「人の反応を見て楽しむのもまた一興だからな」



「うわ、下劣」




今に始まった事ではない。




「それで祐司。何故来たのかは分からないが、邪魔だ。俺達は続きをするから帰れ」



「せっかく春ちゃんの様子見に来たのに」



「じゃあもう見ただろう。本気で帰れ」




せっかくの一日を無駄にはしたくない。
< 110 / 264 >

この作品をシェア

pagetop