たった一つのお願い


何だかんだで春陽のお父さんと約束出来たのは、春陽の手術の二週間前になってしまった。




「どうしたんだい?
貴重な昼休みを私なんかと…」



「お願いがあるんです」




何故か緊張する。
こんなにも言うだけで緊張するだなんて初めてだ。


どうやら今気づいたが俺は今まで本当に石像の様にしか人生を歩んでいなかったみたいだ。


無感動、無緊張、無恐怖…コレって人間、なのだろうか?




「コレに同意して欲しいんです」




俺は祐司の時と同様にスッと紙とペンを差し出した。




「……!」




彼はずっとその紙を凝視してから言った。
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