たった一つのお願い


今日の診断は人が少なく、運良くお昼休みが長くとれた。


いつものペースで食事をすると時間が余ったのでたまっている仕事を終わらせる。


睡眠時間が少ないにも関わらず、仕事は何故か順調に進み、どんどん片付いていく。
夕方過ぎになると、一段落を終えコーヒーを嗜む時間まで出来た。


昨日は一体何だったんだ。もう少し計画性をもたなければならないな。




そんな時、ふとある言葉が頭をよぎった。




『私の部屋、501号室だから遊びに来てね!じゃ!理央先生、待ってるから!』




何故かは分からない。
けれど、それはハッキリと俺の頭をよぎった。


もしかして俺は無意識の内に彼女の約束を果たしたかった…とか?
いや、まさかな。


約束なんて俺の中で今まで苦痛でしかなかった。
溜まった物を発散する時の約束でさえ、嬉しく思った事はない。
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