たった一つのお願い


「先生は暇人じゃないのよ?
それに今日、ここへ来てくれた事自体が奇跡みたいに忙しい人なの。分かる?」



「……じゃあ、やっぱり遠くから見るだけ…「ダメです」




4階には難しい患者さんも居るからな。
宮野さんはそれを分かって言ってるのだろう。




「分かりました。
時間が空いたら、ここへ来ます。時間は指定出来ないが…主に昼休みなら」



「やった!」



「……先生、本当に良いんですか?」




宮野さんの顔には心配げな色が浮かんでいる。




「えぇ。彼女には何故か人を惹きつける魅力がある。俺はぜひともそれが知りたい」




俺がそう言うと、宮野さんはそうですかと言って笑った。


彼女は少し楽しんでいるように見えた。
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