ももの天然水
紗優の負けないように強く抱きしめる。

「どうしたの?」

「欲情しちゃったから、抑えてるの。」

「……えっち。」

ピンクの頬を両手で隠す紗優。

「よし、帰ろうか。」

「うん。」


オレンジに染まる道を2人で歩く。

「はい、これ。」

「あ、ありがと。」

紗優にももの天然水を渡す。

紗優は、不思議そうにそれを眺める。

「どうした?」

「いや。保健室の時もこれだった。」

「うん、そうだけど?」

「なんで、ももの天然水なの?」

「え?!」

い、言えない。

初めて会ったときに、ももの香りがしたからなんて。

「怪しい。」

「べ、別に。」

「なんで?」

「教えない。」

「じゃあ、もうキスしない。」

「え!それは…。」

「じゃあ、言って!」

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