ももの天然水
「…どーしたの?」

俺の顔をのぞきこむ紗優。

「…いや、始めてもいいのかな?って。」

「……あ。」

急に下を向く。

「うち、両親いないの。」

……え?

俺、失礼なこと聞いた。

「死んじゃったんだ。」

泣きそうな目に、無理矢理つくる笑顔。

「うちが、5歳の時に。」

大粒の涙を手で拭いながら必死に、答える。

「ごめん。もう、いいよ。」

「全部、話す。」
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