ももの天然水
「な、なんで?」

「う~ん」

特に理由なんてないんだよ。

気になるだけ。

「なんとなく。」

「紗優には、教えない。」

「なんで?」

「ちょっと移動しよ。」

なんで移動するの?

と思いながら来たのが、非常階段。

初めて来た。

授業サボりたいときとかいいかも。

「で、誰?うゎ!」

一瞬の出来事だった。

背中には壁、目の前には水城くんの顔。

「そんなこと聞かれると、男って勘違いするんだよね。わかる?」

目をそらせない。

真剣な顔だ…。

「わかんない。男じゃないもん。」

「そっか。じゃ、わからせてあげる。」

どんどん近づいてくる水城くん。

少し荒い息。

背中には、ひんやりと冷たい壁。

フラッシュバックが起きた。

呼吸が早くなる。

「……嫌…やめて…」

「え?」

「嫌だ…怖い……。」

自分を見失っていた。

「紗優?どうした?」

「いやっ!触らないで!」

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