ちよこれえと [完]


「寛貴くん、あのね…私はバレンタインが嫌いだった。最近までチョコレートの匂いを嗅ぐと、イラついた。」

寛貴は、私の話に、うつ向きながら、うん.うん.と相づちを打って優しく話を聞いてくれる。

「だけどね、寛貴君が真面目に恋した一発目で嫌いもなおったのかもしれない。」


私は顔を上げた。


そこには、優しい顔の寛貴君がいた。 





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