ありのままのキミ

♦one♦










しくじった。







私、鮎川知佳(あゆかわちか)は都内でも有名な私立の高校に通う二年である。といってもこの短気で喧嘩っ早い性格で少しばかり……いや、かなりの問題児扱いで浮いているが。


そんなこんなで敵も多い私だが、喧嘩では負けたことはない。だが今日は油断していた。





帰っても面白くないし、暇だった私は友達とカラオケに行った後、一人でフラフラと繁華街を歩いていた。



ベタなことに路地裏で女性を力で押さえつけている場面に遭遇。


群がる男をボッコボコにした後で女性を逃がそうとした時、気絶したはずの男がナイフを振りかざしてきたのだ。


咄嗟に庇ったのだが左腕をナイフが掠めた。何とか女性を逃がし、追いかけてくる男から逃げ切った私だが止まることのない大量の血に逃げる際に軽く捻った足首が痛み、フラフラと地に着かない足取りになる。




とりあえず、血を流そうと近くの小さな公園の水場へと足を運ぶ。



 
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