人な私と機械な君と
後編____。俺は十数分間程待ち続けた・・・____。

あまりにも遅い・・・・・。ま、まさかっ、た、高天原(たかまがはら)さんの身に何かっ!?もしかしてカウンターではこんな事になってるのかもしれない!!

___店内にお茶目なお腹の音を鳴らす可憐な少女が1人・・。
[いやぁっ、お腹が減りすぎてお腹と背中がくっついちゃうよぉー・・・!]
そして彼女は恥ずかしさのあまり誤魔化してしまう・・・だがっ!
馬鹿1号:[へへへぇ、誰だぁ、お腹を鳴らしているのわよぉぉぉう!?]
[ケッケーー!!お腹の調子でも悪いのかいぃ!?]
[店内はぁ、薬用品店ではありませぇぇぇん!!(嫌なスマイル)]
馬鹿3号:[ゲヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒぃぃぃ!!(ハイテンション)]
馬鹿4号:[ギョヘェェェェーーーーーイ!!(ハイテンション)]
そんな極悪非道な輩たちに囲まれて・・・・・!!
[いやぁあああ!!は、林くぅぅーーーん、た、助けてぇええええ!!]
と助けを求める儚い少女の声が店内へと鳴り響く・・・___。

ゆ、許せんんん!!!!!!もしそうだとしたらこの中学空手全国大会優勝の俺が絶対に許さん・・・・!!!!

そう妄想している間に高天原さんを除く4人が注文した物を持って返って来る___。

「お腹の音がどうしたんじゃぁあああい!!!!」

「うわっどうしたんだよ急にっ・・・・・・・!?」

びっくりした月島はそのまま席に座りマイケルバーガーを俺のところに置いていく。

馬鹿1号:「腹が減り過ぎて気でも狂ったのか・・・?」

馬鹿3号;「でも安心しろ・・・、なんたって、お前の待ち焦がれたマイケルバーガーがたらふく食えるんだからなっ。」

馬鹿4号:「ご愁傷様さまです・・・・。」

あとの3人もマイケルバーガーを俺のところへ積んで行く・・・。

「わぁ~~いマイケルバーガーだああああ!!もぐもぐもぐもぐ・・・___。」

俺はなんと目の前に置かれたエサに惑わされ高天原さんのことを忘れてしまい、食いついてしまう・・。

馬鹿1号:「おい月島、何座ってんだよ。[アレ]を早く取りにいくぞっ。」

「ああ、そうだった、忘れてた忘れてた・・・__。」

馬鹿4号:「[アレ]一往復で持ってこれるかなぁぁっ。」

そう言って彼らはまたどこかへと行ってしまった・・・。俺は1人でマイケルバーガーを食べ続けていく・・・__。

な、なんて旨さなんだ!この食べごたえのある食感!口の中でとろける肉汁!俺の舌を飽きさせることのないこの香辛料達!そして、また俺の食欲をそそらせる香ばしい匂い!!ま、当にマイケルスパイラル(食欲スパイラルと言いたいらしい)!!!!これならいける!!この俺自身の記録を塗り替える時がき______。

ドシンッ_____。何か大きな物体が俺の前に置かれる。

「えっ・・・・・____???????」

そ、そんな馬鹿な事が・・・・!?!?!?!?。
馬鹿1号:「あ~~、マジ重たかったわっ・・・・。」

ドシンッ_____×3。また俺の前に姿を現す強固な壁・・・___。俺の手から嫌な汗が吹き出ていく。

こ、この山はなんだ!?
「いや~これ肩凝るわ~~っ。」
ゆ、夢なのか!?
馬鹿3号:「うわ、並べて見るとすげぇ量だな・・・・。」
本当に現実なのか!?
馬鹿4号:「マジで買う人初めて見たわ・・写メ撮っとこっ。」
これは長城・・・・!

ドシンッ_____。そして最後に俺を包むように置かれた壁は光りさえ届かなくさせてしまう。

な、なんの長城だ・・・!?
「ふふふふふっ・・・・・・・さあ林くん・・・・。」
これは・・・・___。
「召し上がれっ・・・・。」
ま、マイケルバーガーの長城____!!!!!!!こ、こんな絶壁のマイケルバーガーをどうしろというんだ!?む、無理だ・・・・。確実にこの長城を登り切るまでに俺の力が尽きてしまう・・・・。

「千恵ぇ~~流石にマイケルバーガー100個は無いと思うよっ・・・。」

「そうかしらっ?私は初めに100個買うことがファーストフード店の通過儀礼だと聞いたわよっ?」

馬鹿1号:「どこの通過儀礼だよ・・・___。」

っ!?!?!?!?これは高天原さんが・・・・___。
馬鹿4号:「それにしたってこれはやり過ぎだと思うけど・・・。」

「だけど、林くんは最低3個だとは言ったけど、上限のことは言っていないわっ。」

馬鹿3号:「それがやり過ぎなんじゃ・・・。」

「ふふふふふふっ・・・・・・。」

やはりこれは高天原さんが俺にくれたもの!?!?そ、そうか。そう言う事か!!わかった!つまりこういうことだ!!これは俺に対する高天原さんの気持ち!!!!なんて重く熱いんだ(ホカホカのマイケルバーガーの山に囲まれているせい)・・・!!これは俺の試練!!その高天原さんの全ての気持ち(ただの自己満足)を俺は受け止めてみせる!!!!!!!!

そう思うと俺の中に秘められていた高天原さんへの愛の力が無限にこみ上げきた______。

「うおおおおおおおおおおおおおおおっ____ガッガッガッガッガッガッガ!!!!!」

「な、何だ!?壁の向こうから林が叫んでるっ・・・・!?」

俺はその積み上げられたマイエンジェルの愛を手に取り食べていく!!一個10秒程で食べていく!!!

馬鹿3号:「誠のやつ、この山のようなマイケルバーガーを目の前にしても屈せずに食べ続けているぞっ!!!!」

馬鹿1号:「う、うわ、何だか俺、まこっちゃんのこと格好良く見えてきたっ!!!!」

いける!!!いけるぞ!!!この調子ならいける!!待っててくれ高天原さん!!!俺のハート(胃袋)が燃えているぅぅぅーーーーーー!!!!

馬鹿4号:「な、何だか分からないけどこっちまで熱くなってきたぞ!!ガンバレーーー!!」

「もがもぐもがああああーー(今行くぞーーーー)!!」

野郎達の熱い応援を受けながら俺はマイケルを口の中に放り込んでいく!!なぜか食べてく事に意識が遠くなっていくような・・・・。

馬鹿1,3,4:「がーんばれっ!!がーんばれっ!!!」

「馬鹿だこいつらっ・・・・・。」

「ふふふふーーーーーっ。」

あと何個だ・・・・!?10個目から数えていない・・・・・!!・・・う、い、意識が・・・・・。

馬鹿3号:「お、誠の顔が見えてきたぞっ!!!」

馬鹿4号:「あれ・・、何か誠のやつ白目向いてね・・・っ。まあいいやっ!!」

馬鹿1号:「がーんばれ!!!がーんばれぇっ!!!!」

ひと口ひと口が胃袋をクリーンヒットしてくるようになってきた俺はもう戦う気力が残っていなかった・・・。

た、高天原さんの・・・気持ち(自己満足)が・・・・・これほど、にも・・・・重い(胃が)・・とは・・思わなかった・・・・。か・・・、カンパイ・・・だ・・・・ぜ・・・・・・・・・・・________。

「もが・・・・も、・・・・が・・・・・・ガクッ・・・・。」

そして俺は気を失いマイケルバーガーの山の中へと倒れ込む。

ドシャッ!!バラバラバラーーッ!!!

マイケルバーガー達は俺の頭に重くのし掛かっていった・・・_____。

馬鹿1号:「お、おいしっかりしろ!!」

そう言って上杉はマイケルバーガーの山を掘っていく。

馬鹿3号:「ここで負けたら試合終了だぞ!!誠、気をしっかり持つんだっ!!」

そしてその2人の肩にそっと手を乗せる優斗・・・・。

馬鹿4号:「やめろ・・・、そいつはもう・・食ったまま・・・気絶をしているんだ・・・。」

そこにはマイケルを咥えたまま気絶している者が1人・・・・____。

馬鹿1号:「くっ・・・、いい顔して気絶してやがるぜ・・・・・。」

そして俺は・・・ホシに・・・なった・_____。

馬鹿1,3,4号:「まことぉおおおおおおっ(まこっちゃーーーーん)!!!!!!」

「やっぱり馬鹿だこいつら・・・。」

「ふふふふふふーーーーーーっ(上機嫌)」

店内には俺を呼ぶ声と高天原さんの甲高い声が響き渡った____。

良い子は絶対に、真似しないで下さい・・・・・_____。
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