TRAP!
TRAP!




これは、おとり捜査です。


ごく小さな探偵事務所に久々に舞い込んできた、まともな仕事。浮気調査の…依頼。


『恋人の浮気心を探りたい。』


そんな依頼が舞い込んできたのは……、


7月の、暑い日だった。



「節電だ」と、クーラーの効かぬ事務所でぼんやりとしていた私に…、所長から、声が掛かる。



「一ノ瀬。お前の出番だ。」




色恋沙汰にはとんと疎い私が派遣されることも疑問ではあったが……、近頃は、飼い猫の捜索などイマイチやり甲斐のないものばかりを手掛けていたから……、少し、興味はあった。




「わかりました。」



そう返事して。


調査に身を乗り出した私が……。






なぜにこう、
手に汗を握る状況にあるのでしょう。







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