確かめてみない?


足を止めた私に彼は近づくと、私の手首を握りしめ、
少し荒い息をふうっと吐きだしながら、囁いた。



「似てるかどうか確かめない?」


「……え!?」


「俺と」


耳の淵にざらりとした感触が伝わる。
そのまま食むように耳たぶを絡め取ると、
熱い吐息を耳の奥に押し込むように囁いた。



「ずっとこのチャンスを狙ってたんだ」



やっぱり、この男肉食だ。
それもハイエナ級の肉食だ。


頭の中で危険を知らせるブザーが鳴り響く。
関わったらいけない、関わっちゃだめだ。
そう思うのに、彼に掴まれた手を振りほどけない。




彼氏がいるのに……


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