海賊王子ヒースコート

「私は大丈夫ですよ、お兄様」


「本当に?後悔しない?確かにギルバートの男前で筋肉質な身体は私も最高だと思うわ。けどね、言っとくけど中身はドSの変態よ?」


言いたい放題まくし立てた後、「それに…」と彼は続けた。


「家のため、なんて言葉で納得してるなら…」

「お兄様」


凛とした声が響いた。


「私は家のために嫁ぐのではありません。幸せになるために嫁ぐのですよ」



純粋な妹の笑みに、ヴィンセントは諦めの溜息をついた。


「…どうやら、本気みたいね。わかった。ただし、イジメられたら言いなさい!このお兄様が上司の職権使って報復してあげる!!」


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