海賊王子ヒースコート
「提督~、シスコンもそこまで盲目になると、ただの憐れなおじさんですよ?」
リチャードがふざけた調子で言った。
上司のさらに上司にこのノリで許されるのは、ギルバートよりも恐れ知らずな彼くらいかもしれない。
「おじさんて何よ!?私はまだ二十九よ!?」
「もうすぐ三十代のオッサンになりますね。おめでとうございます提督」
今度は生真面目な顔をして敬礼するリチャード少佐。
ヴィンセントは、彼に付き合っていたら日が暮れると悟った(もう日はとっくに沈んでいるが)。
「提督、逆に令嬢だから危険なのです」
見兼ねたギルバートが話を先に進めた。
「そうそう!令嬢=金持ち=一般民衆の敵みたいな公式が成り立っちゃいますからね」