【完】I LOVE YOUが言えるまで
美緒はそう言って店を出ようとしたら、高倉に手を掴まれた。
「ちょっと待てよ、いつまで怒ってんだよ、
俺はあんたと話がしたくて来たのに、なんなんだよ、その態度は」
高倉が切れ、店の中が静まり返る。
『私はあんたの顔も見たいないんだよ。気易く話かけてんじゃねーよ、このガキが』
美緒は高倉をにらみつけ、そう言い放って、腕を振り払い店を出た。
孝浩は高倉の頭を叩いた。
「何キレてんだよ。バカ」
「すいません…、つい…。
俺話してきます」
ルキヤが美緒を追いかけようとしたが、孝浩が止めた。
「止めとけ、無理だ」
「でも、ここで話しないと、いつまでも謝れない」
孝浩は首を横に振った。
「さっきの美緒の覚めた目見たか。
あの目をした時の美緒は、何言っても無理なんだ」
孝浩の言葉を聞いた真理子と涼子もうなづいた。
皆の企みは失敗に終わった…。