【完】I LOVE YOUが言えるまで

そうなのです。


高倉との待ち合わせの場所に行く途中に永嶋に逢い、美緒はそのまま永嶋と朝を迎えてしまったのです。


その状況に、美緒はただただ後悔していた。


「美緒おはよう。もう起きてたのか」


と永嶋の声が聞こえ、後ろから抱き付いてきた。


『おはよう』と美緒は一言。


「目が覚めたら美緒が横に居ないから、帰ったのかと思って焦った。
もう俺から離れないでくれ、美緒」


永嶋はそう言って、美緒を強く抱きしめた。


この時の美緒の頭の中には、約束を守れなかった高倉の顔が浮かんでいた。


悲しそうな高倉の顔が…。


気が付けば、美緒の目の前には永嶋が。


「美緒、今誰のこと考えてたんだ。
俺以外の男のことは考えないでくれ」


永嶋の勘の良さは昔から。


今日の永嶋は美緒の知っている永嶋ではなかった…。


何故、こんなにも弱弱しいのか?


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