【完】I LOVE YOUが言えるまで
永嶋は呼吸を整えながら、美緒を見つめ笑い出す。
「ほんとだ、俺は何で慌ててたんだ」
そう言って、二人は笑った。
「良かった、美緒が笑ってくれて。
おいおい、まさかここでビール呑んでたのか」
ベンチの上の空き缶を見た永嶋。
『うん。外で星見ながら呑むビールはなかなか美味しいんだよ。
ビール呑みながら、ユーミン口ずさんだりしちゃって』
永嶋は顔をくしゃくしゃにして微笑みながら、
美緒の頭を撫でた。
「ユーミンと言えば、リフレインが叫んでるだろう。
昔よく車の中で聞いてたもんな。
昔、美緒によく言われたな。何で失恋の曲かけるのってな」
『言ったね。でも、密かに好きだったけどね』
懐かしさに微笑む。
「美緒、一人で呑んでるなよ。寂しいな。
呑む時は俺に連絡しろ。いつでも付き合うから」
永嶋の言葉に、美緒の心は温かくなった…。