【完】I LOVE YOUが言えるまで
美緒はキッチンに行き、コーヒーを入れる。
『永嶋さん、今コーヒー入れるね』
「悪いな、こんなに早くに。
まさか、美緒がこんな時間に起きてるとは思ってなかったんだけどな」
美緒はコーヒーを永嶋の前に置いた。
『はい、コーヒーどうぞ。
今日はね、部屋の掃除をするために早起きしたの。夜、真理子と涼子と三人で花火大会に行ったあと、うちで呑むことになってるから、掃除しとかないとって思ってね』
「そうか…、相変わらず三人は仲がいいんだな。友達は大事にしないとな」
永嶋の様子が何だかおかしい…。
『永嶋さん、仕事で何かあったの』
美緒は永嶋に聞いたが、永嶋は”何もない”としか言わなかった。
『何だか疲れてるみたい、眠れてないんじゃない』
永嶋は薄らと笑みを浮かべた。