【完】I LOVE YOUが言えるまで

美緒が何を言いたいのか、高倉には分かっていた。


美緒は高倉を男としては見られないと言うこと、友達以上にはなれないと言うこと。


何とも残酷な告白なのだ。


「俺も美緒さんとは長い付き合いがしたいです。終わらせたくないです」


だが、男と女の間は、そんな簡単なものではない。
友情なんてあり得ないことも分かっているが、高倉とだったら、それが出来る気がした…。


高倉となら…。


でも、美緒を好きな高倉にとっては、とても辛いことだろうが。



『今日の花火、凄く綺麗だったんだよ。
高倉も来ればよかったのに』


美緒は話をガラリと変え、高倉は何も言わずに美緒の話を受け入れた。


「見てましたよ、ある場所から、ちゃんと。
本当に綺麗だった…。感動ものでした」


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