【完】I LOVE YOUが言えるまで
「親友が…、遠くに行きました…。
ずっと一緒だった親友が遠くに…。
高校の時に事故で車椅子生活になって、あいつはずっと苦しんで来たんです。
俺はあいつに何もしてやれなかった…。
なんの力にもなってやれなかった…」
こんな話をするつもりじゃなかったのに…。
高倉は涙を流していた。
美緒は優しく高倉を抱き寄せた。
「俺は…、あいつに笑ってほしかった…。
昔のあいつみたいに、笑ってほしかった…」
高倉はそう言って、美緒にしがみついて泣いた。
美緒は何も言わず、ただ、高倉を抱きしめた。
この時、美緒の中で何かがガラガラと崩れ落ちた。
どれくらいの時間が経ったのだろうか…。
暗かった海が少しずつ光が差し、二人を照らしていた。
二人だけを…、照らしていた…。
高倉は我に返り、慌てて美緒から離れ、謝る