【完】I LOVE YOUが言えるまで

高倉は美緒の目の前に立った。


「すみませんでした」


高倉はそう言って、美緒に頭を下げた。


そして、レストランを出て行った。


「おい、瑠希夜、おい」


友達が声を掛けても、答えることなく出て行った。


『お騒がせしてごめんなさい』


美緒はメンバーにそう言って頭を下げ、レストランを出て行く。


「美緒っ!」


涼子の声に美緒が振り向く。


『ごめんね、涼子…』


美緒はそう言い残して出て行った。


レストランを出ると、外は雪が降っていた。


美緒は空を見上げる。


雪が美緒の顔に静かに落ちてくる…。


『あの日も雪…、だった…。
私何やってるんだろう…、大人気ない…。
いつまでも子供だな…』


美緒は雪の中に消えた…。


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