オオカミ少年。

マフラーを拾いながら言った中田の声が、心なしか落ち込んでいて。

何かまた悪いこと言ったかな、と思い返してみるけど心当たりはない。

何なの、もう。


「嘘だよ。ラブレターじゃないから」

「だよな、だと思った!」

そしてすぐさま復活。


「で、結局何なんだよ?」

「よく分かんない。」

「ふーん、そっか。」


ラブレターじゃないと分かった中田はもうそれ以上聞いてこなかった。

ラブレターじゃないと興味ないんだな。

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