オオカミ少年。

「あ…えっと…あたし」

「返事はまた今度でいいから。じゃあね、平山さん。中田も。」


これって現実?

それとも夢?

ほっぺをつねると鋭い痛みが走る。やっぱり、これは夢じゃないんだ。全部全部現実なんだ。


「ちょ、ちょ、中田!あたし今多田くんに告られたんだけど!」

興奮気味のあたしとは違って、中田は何故かどんよりしてる。誰が見ても分かるくらいに。


「ちょっと中田?聞いてた?」

「聞いてましたけど。」

「どうすればいいかな?」

「んなこと俺に聞くなよ。」


また不機嫌。

どうなってんだ、こいつは。

< 42 / 152 >

この作品をシェア

pagetop