オオカミ少年。

いや、もしかしたら覚えてないのかなーって、今日来るまで1人で漠然と考えてたりもしたんだけどさ。


ほんとに覚えてないとなるとね。

イラつくどころの騒ぎじゃない。

イラつく通り越したかも。イラつく通り越して、ちょっと悲しくなってきた。


「あ、平山、あっちにお菓子の家があるぞ!」

「え?」


イラついてても、そんなこと言われたら好奇心をくすぐられてしまって、当然のように中田が指差す方向を見る。


「あはは、嘘だけど」

「っ死んでしまえバカ!!」

何だこいつ!!

ほんとにいつもどおりだよ!!


「は、騙される平山がわりぃの」

「もう中田嫌い。」

「あ、傷つくわー」

< 60 / 152 >

この作品をシェア

pagetop