~空~ 365日の想い



『大丈夫ですか?』と言いながら手を差し出している


やっぱり 慣れない靴なんか履いてこなければよかったな


そんな 後悔したって無駄



『あの...聞いてますか?』


隣に人がいたのなんって知らぬまま


一人で考え事をしていた



『あっ...すいません、』


『大丈夫ですか? ほら..』

すると 隣にいた人が 手を差し出してきた



手をかりて やっとの思いで 立ち上がった



『足...怪我してますね』


よく見てみると 膝にはかすり傷



『いえ...平気です 気にしないでください 助けてくれて ありがとうございます』


そういいながら 軽く礼をした



『大丈夫じゃないですよ
ここ座ってください』


その人は自分が座っていた席をわたしに譲ってくれた


『いえ こんなの 平気ですよ どうぞ 座ってください』


『傷をおってるのに 知らんぷりできませんよ』


『でも...『いいですから 座ってください』


そう言いながら 彼はわたしに 自分の席を譲ってくれた



『すいません...』


『気にしないでください それより 傷痛みますか?』

そう言われて 初めて彼の顔を見た








顔は整っていて

髪型は 夏らしい髪型

色は いかにも真面目そうな真っ黒な色だった

なにより印象に残っているのは...


笑うと 印象とは違う若々しい笑顔


『あの...聞いてますか?』


隣の方から そんな言葉が聞こえて



『す...すいません、』


わたしは 恥ずかしさのあまり 謝ってしまった


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