社長と極上の生活
「キャッ!!」
「しっかり掴まってろ?」
要は軽々と私をベットへ運び、
ゆっくりとベッドの上に下ろした。
「杏花、楽な体勢になってて?」
そう言った要はクローゼットから
タオルケットを取り出し、私に掛けた。
「ちょっと待ってろ」
彼はジャケットを脱ぎ捨て、
ワイシャツの袖を捲り上げ、
ネクタイを解いて、
ワイシャツのボタンを2つ外した。
そして……
紙袋からクリームらしき物を取り出し、
「ごめん、ちょっとひんやりするかも」
そう言った彼はタオルケットを少しずらし
手のひらで十分に温めたクリームを
私の背中に塗り始めた。
「ヒリヒリしないか?違和感があったらすぐ言えよ」
「……うん」
彼の手つきが壊れ物を扱うみたいに優しくて
私は嬉しさのあまり、自然と涙が溢れ出した。