社長と極上の生活


村岡さんが実母代わりに


身の回りの世話をしてくれている。


両親は出産後の翌日、


実家の寿司屋を弟子に任せてまで無理して


遥々地方から1泊2日で来てくれた。


小さい店ながらも意外と繁盛していて


半年先まで予約で埋まっている。


そんな中、わざわざ来てくれただけ有難い。


私が淋しい想いをするのではないかと、


村岡さんは本当に親切にしてくれる。


物腰柔らかい彼女の言葉に


私は何度、救われただろうか。


辛く苦しい妊婦生活も


彼女の支えがあったからこそ


こうして、我が子を抱く事が出来たのだから。


本当に感謝してもし切れないわ。


私は出来るだけ母乳で育てると心に決め、


村岡さんの手間を取らせないようにと。


一条本宅との掛け持ちをしている彼女に


これ以上の負担を掛けたくない。




私は息子の傍から離れないように


1日中寄り添って過ごしていた。



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