青龍と桜

「真理、ちゃん」

恋する乙女のようになっていた真理に、鈴の音のような可愛い声がま戸惑いがちにかかる。

「ん?」
真理を筆頭に私たち3人は声の主へと視線を移すと
「美花!」
浜里さんがいた。

いつの間に名前で呼ぶほど仲良くなったのだろう…と思っていると、胡桃がこっそり耳打ちしてきた。

「さっき、浜里さんに夜桜さんのこと聞きに行ったときに、意気投合しちゃったみたいだよ」

確かに2人はきゃいきゃい言いながら、楽しそうに話している。

「美花~倉庫行こうぜ」

そこに柊くんが来て、浜里さんを誘う。

「今日は真理たちと帰るから、今日は止めとくね」

珍しく柊くんが誘いを断られるということよりも、私たちと一緒に帰ると言った浜里さんの言葉に私は驚いた。

「おい、高田…」

浜里さんの言葉を聞いた柊くんは目を鋭くし、若干声を低くして真理を脅す。

「美花をちゃんと守れよ?」
「わかってるよ。あたし、これでも柔道の黒帯持ってるし」
「一樹、あたしそんなに弱くないもん!」

真理が負けじと応戦し、浜里さんが真理に加担する。


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