赤い月 終

「えへへ… そーだよね。」


恥ずかしそうに涙を拭った小鞠が、薄く頬を染めて笑った。

それを見たうさぎが、また笑う。

景時は‥‥‥


「ねー、姐御!
またカラオケ行かない?
姐御が帰ったパーティーみたいな?」


景時を押し退けた祥子が、後ろからうさぎに抱きついた。


「おー、イイね!
明日から夏休みだし。」


さらに大吾が、後ろから祥子に抱きついた。


「ねー、うさぎちゃん?
違う歌、覚えた?」


その上小鞠まで、うさぎの腰に抱きついた。


「当然じゃ。」


祥子と小鞠に挟まれながら、うさぎが小さく胸を張る。


「まじ?」


「ナニ?」


「『津軽海峡冬景色』じゃ。」


「「「なんで?」」」


ジリジリと肌を焼く夏の陽射しの下、みんなが笑う。

うさぎも、笑う。

楽しそうに。
幸せそうに。

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