赤い月 終

仰け反った顔が、元の位置に戻る。


「…うさちゃん、石頭…」


うさぎの髪から手を離した『景時』が、眉をハの字に下げて顎を擦った。


「景時… 本当に…?」


(本当にって…
ナニガ?)


ワケがわからず、景時が首を捻る。

いや、ほんとに石頭だと思うケド。
そーゆー意味じゃないンでショ?

自分を見上げるうさぎの表情が、クルクル変わっていく。

茫然 → 歓喜 → 怪訝 → 驚愕 → 思案…

いやぁ…
なんていうか、ちょっと感動。

うさぎの百面相とか、激レア。

どれも可愛い。


「黒曜…
どういう事であろうか。」


頬を緩ませる景時を放置して、うさぎが後ろを振り返った。

その視線を追うと、ソコには白い光でグルグル巻きにされて転がる黒曜が…

< 231 / 279 >

この作品をシェア

pagetop