赤い月 終
仰け反った顔が、元の位置に戻る。
「…うさちゃん、石頭…」
うさぎの髪から手を離した『景時』が、眉をハの字に下げて顎を擦った。
「景時… 本当に…?」
(本当にって…
ナニガ?)
ワケがわからず、景時が首を捻る。
いや、ほんとに石頭だと思うケド。
そーゆー意味じゃないンでショ?
自分を見上げるうさぎの表情が、クルクル変わっていく。
茫然 → 歓喜 → 怪訝 → 驚愕 → 思案…
いやぁ…
なんていうか、ちょっと感動。
うさぎの百面相とか、激レア。
どれも可愛い。
「黒曜…
どういう事であろうか。」
頬を緩ませる景時を放置して、うさぎが後ろを振り返った。
その視線を追うと、ソコには白い光でグルグル巻きにされて転がる黒曜が…